ポイ活で貯めたポイントをマイルに換えると価値が上がる、という話はよく聞きます。ただ、実際にやってみると交換率で半分近く目減りしたり、途中のカードが作れなくてルートごと使えなかったりします。この記事では、2026年8月時点で現役のANA・JALの交換ルートと、レートの計算方法、かかる日数・上限・有効期限までをまとめます。結論から言うと、初めての1本はJALマイルから始めるのが素直です。
マイルに換えると価値が上がると言われる理由
ポイントを現金やギフト券に換えると、基本は1ポイント=1円です。それに対してマイルは、特典航空券に使ったときの1マイルあたりの価値が1円を超えます。たとえば国内線の片道が6,000マイル前後で取れて、同じ日程の航空券が1万円台なら、1マイルは2円前後の働きをした計算です。
ただし、ここで多くの入門記事が省いているのが交換率です。ポイントサイトのポイントは、そのままマイルになるわけではありません。実際の価値は「交換率 × 使うときの1マイル単価」の掛け算で決まります。
10,000ポイントを交換率50%でマイルにすると5,000マイル。これを1マイル2円で使えば1万円分ですから、ギフト券に換えた場合と同じです。つまり50%ルートで国内線に使うだけなら、手間をかけた分の上乗せはほぼありません。逆に交換率75%なら7,500マイル=1万5,000円分、1ポイントあたり1.5円になります。国際線の特典航空券のように1マイル3円以上で使える場面と組み合わせれば、差はさらに開きます。
マイルが得になるのは「高い交換率」と「高く使える出口」が揃ったときだけです。
交換の前に決めること:どちらのマイルを貯めるか
ANAとJALを両方追いかけるのは、初心者には向きません。交換率の高いルートはどちらも専用のカードや条件を必要とするので、分散させると両方とも中途半端な残高になり、有効期限だけが先に来ます。僕の場合も最初の年に両方に手を出して、結局どちらも特典航空券に届かず期限切れ寸前で焦りました。貯める先は1つに決めてください。
判断材料は、よく使う空港と路線、すでに持っているカード、そして条件を満たす手間です。2026年8月時点の主要ルートを並べると、性格の違いがはっきりします。
| ANAマイル | JALマイル | |
|---|---|---|
| 高レートの主軸 | TOKYUルート(75%) | モッピーのドリームキャンペーン(実質80%) |
| 必要な条件 | ANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカード | ゴールド会員+当月の広告利用ポイントなどの条件達成 |
| 条件なしの基本ルート | 各種ポイント経由で50%前後 | ドットマネー経由で50% |
| 交換の段数 | 2〜3段(1〜2か月) | 1〜2段(数週間〜1か月) |
ANAの75%は魅力ですが、専用カードの発行が前提です。JALは条件なしでも50%ルートが1段で通り、条件を満たせる人は80%まで伸びます。カードを増やしたくない人・まず一度マイルを手にしたい人はJAL、路線や搭乗の都合でANAを使うと決まっている人はANAという分け方が現実に合っています。
ANAマイルへの主なルート
ANAマイルの中心は、いわゆるTOKYUルートです。ポイントサイトのポイントをドットマネーなどの中継サービスにまとめ、そこからTOKYU POINTへ、最後にANAマイルへ移します。最後の段は1,000TOKYU POINT→750マイルで、この75%レートを使うにはANA TOKYU POINT ClubQ PASMO マスターカードの保有が条件です。カードを持たない場合は50%程度に落ちるので、ルートを使う前提ならカード発行が最初の作業になります。
かつて主流だった「みずほルート」は、対象カードの新規申込が2026年初めに終了しました。ソラチカルートを含め、終了したルートを解説した記事が検索上位に残っていることがあるので、手順を追う前に対象カードが今も申し込めるかを確認してください。
カードを増やしたくない場合は、手持ちのポイントからの直接交換もあります。楽天ポイントは2ポイント=1マイルでANAマイルに交換できます(通常ポイントのみ、期間限定ポイントは対象外)。交換率は50%なので主力にはなりませんが、使い道に困った通常ポイントの出口としては機能します。

JALマイルへの主なルート
JALマイルの基本形は、ポイントサイト→ドットマネー→JALマイルです。ドットマネーは2マネー=1マイル、500マネー(250マイル)単位で交換できます。段数が少なく、専用カードもいらないので、最初の一回はここが一番つまずきません。
効率を上げたいなら、モッピーのドリームキャンペーンが定番です。通常は3ポイント=1マイル(約52%)のところ、条件を満たすと12,000ポイントを6,000マイルに交換した際にボーナスポイントが戻り、実質80%相当になります。条件は交換月当月にゴールド会員であることと、広告利用で一定額のポイントを獲得すること。正直、この条件を毎月満たすのはそれなりの案件消化が必要で、誰にでも勧められるものではありません。年に一度、まとまったポイントを作れたタイミングで狙うくらいがちょうどいいと思います。
加えてJALは、提携ポイントからのマイル交換増量キャンペーンを繰り返し開催しています。dポイントやPontaポイントは通常2ポイント=1マイルですが、増量期間には10〜25%上乗せされることがあります。急ぎでなければ、増量が始まってから交換ボタンを押すだけで数百マイル変わります。
交換率の数字は変動が激しいため、実行前に各サービスの交換ページで現在のレートと条件を確認してください。
レートの見方と目減りの計算
ルートが複数段にわたるとき、全体の交換率は各段の掛け算です。途中が等価(100%)でも、最後の段が50%なら全体は50%になります。数字を並べるとこうなります。
| ルート | 全体の交換率 | 10,000ポイントの到達点 |
|---|---|---|
| ドットマネー経由でJALマイル | 50% | 5,000マイル |
| 増量キャンペーン適用のJALマイル | 55〜62%前後 | 5,500〜6,200マイル |
| TOKYUルート(対象カードあり) | 75% | 7,500マイル |
| モッピーのドリームキャンペーン | 実質80% | 8,000マイル |
ここで気をつけたいのが、交換単位の切り捨てです。500マネー単位、1,000ポイント単位といった刻みがあるため、端数は次回まで残ります。10,300ポイントあっても交換できるのは10,000ポイント分、という具合です。交換は端数を残さない金額でまとめて行うほど無駄が減ります。
もう一つ、増量キャンペーンの「20%アップ」は交換率が20ポイント上がるという意味ではありません。50%の1.2倍で60%です。ここを読み違えると、手元に届くマイルが想定より少なく見えます。
交換にかかる日数と上限
マイルへの交換は即時反映ではありません。ドットマネーからJALマイルの場合、1日〜15日に申請すると当月下旬ごろ、16日〜月末に申請すると翌月上旬ごろの積算です。TOKYUルートのように段数が多いと、各段でそれぞれ数日〜1か月かかるため、ポイントサイトを出てからマイルになるまで1〜2か月を見ておく必要があります。
上限もあります。ドットマネーからTOKYU POINTへの交換は月間10万ポイントまでといった具合に、段ごとに天井が設けられています。まとまったポイントを一度に流し込もうとすると、月をまたいで分割することになり、その分だけ着地が遅れます。
だから、特典航空券を取りたい日程が決まっているなら逆算が必要です。搭乗の予約開始日から数えて、交換の着手は2〜3か月前。連休や年末年始の特典航空券は予約開始と同時に埋まるので、「マイルが積算されてから席を探す」では間に合いません。
マイルの有効期限に注意する
ANA・JALとも、マイルの有効期限は積算した月から36か月です(上位会員など一部の例外を除く)。3年あると思うと余裕に見えますが、実際には最初に積算した分から順に消えていくので、少しずつ貯めていると「一番古い分だけ期限切れ」が起きます。
出口(使いたい路線と必要マイル数)を先に決めてから貯め始める
届かないまま2年が過ぎたら、電子マネーやクーポンへの交換で使い切る判断をする
ポイントサイト側のポイントにも独自の有効期限があります。多くは一定期間ログインや獲得がないと失効する仕組みなので、マイルに換える前の待機中にポイントが消えては元も子もありません。中継サービスに置いたままの残高も含めて、どこに何が眠っているかは把握しておきましょう。
陸マイラー向けの話をどこまで参考にするか
年間何十万マイルを貯める人たちの手法は、読み物としては面白いのですが、そのまま真似ると危険な部分があります。多くは短期間に大量のクレジットカードを発行する案件が前提で、申し込み履歴は信用情報機関に一定期間残ります。短期の多重申込は審査に影響し、住宅ローンなど本当に必要な審査の局面で不利になり得ます。
カード発行案件は、月1枚程度までに抑え、大きなローンの予定がある時期は避けてください。
参考にしていいのは、ルートの構造と交換単位・日数の実務です。逆に真似しないほうがいいのは、案件の量と発行ペース。同じ75%ルートでも、月に数万マイル流す人と年に1回使う人とでは、必要な準備がまるで違います。自分が年に何マイル使うのかを先に決めれば、追いかけるべき情報はかなり絞れます。

最初にやるならどこから手をつけるか
最初の一回は、レートより「最後まで通すこと」を優先してください。50%でも構いません。一度マイルとして着地させると、どこで日数がかかりどこで端数が出るかが体でわかります。
ANAマイレージクラブまたはJALマイレージバンクに登録し、会員番号と氏名の登録内容を控えます。氏名の表記がポイント側と一致しないと交換が弾かれます。
ドットマネーなど、複数のポイントサイトからの受け皿になるサービスに登録します。ここを持っておくと後でルートを変えやすくなります。
最低交換単位ぶんだけ交換し、実際に積算されるまでの日数を確認します。ここまでで仕組みの理解は十分です。
端数が出ない金額に整えてから、増量キャンペーンの有無を確認して交換します。
中継サービスの選び方や、ポイントサイトからの合流のさせ方はポイント交換ルートの基本で解説しています。ルート設計の考え方は、マイル以外の交換先にもそのまま使えます。
旅行系ポイントとの使い分け
マイルは万能ではありません。往復で2万マイル前後が必要な特典航空券に対して、50%ルートなら4万ポイント貯めて初めて届く計算です。年に数回しか飛行機に乗らないなら、そこまで貯める前に有効期限が来る可能性があります。
その点、旅行予約サイトで1ポイント=1円として使えるポイントは、目減りゼロで、金額に関係なくすぐ使えます。貯まった楽天ポイントをそのまま楽天トラベルの宿泊代に充てるようなやり方は、レートでは負けますが確実性で勝ちます。僕は、遠方の航空券が絡む旅行はマイル、近場の宿泊はポイントそのまま、と用途で分けています。
マイルを直接使わずに旅行代金へ充当する方法もあります。JALのe JALポイント、ANAのANA SKYコインのように、マイルを1円以上のレートで旅行代金に替えられる仕組みです。特典航空券の空席が取れないときの逃げ道として知っておくと、期限切れで失う場面が減ります。詳しい使い方はe JALポイントの解説にまとめています。
まとめ|貯める先を1つに決めるところから
マイル交換は、ルートの本数を知ることより、貯める先を1つに決めることのほうが先です。ANAなら対象カードを作ってTOKYUルート、JALならドットマネー経由の50%から始めて条件が整えばモッピーのキャンペーンへ。この二択を決めた時点で、読むべき情報は半分以下になります。
そのうえで、交換率・日数・上限・有効期限の4つを自分の旅行予定に当てはめて逆算する。交換率だけを見て動くと、ほぼ必ず日数か期限のどちらかで詰まります。どのポイントサイトからどこへ合流させるかはポイントサイトの交換先比較で整理していますので、ルートを組むときに合わせて見てください。
なお、交換率・増量キャンペーン・対象カードの受付状況は変動が大きい領域です。実行前に各社の公式ページで現在の条件を確認してから進めてください。
